傭兵の日本人拘束、現代の米国とローマ帝国

smallworldjp2005-05-10

ローマ軍の司令官スキピオは自軍を3つの隊列に並べますが、各列とも歩兵を密集させることなく、ある程度の間隔をおいて前後に抜けるスペースを空けておきます。これは敵の突撃をかわすためのものでした。 騎兵隊は両翼に置かれ、右翼はマシニッサの指揮するヌミディア騎兵、左翼はラエリウスの指揮するローマ騎兵が配置されました。 一方、カルタゴ軍司令官のハンニバルは自軍を4つの隊列に分けました。第1列は80頭の戦象部隊から成り、第2列にはあまり信頼できない1万2千名の傭兵部隊を置いて、ハンニバルの古い戦友であるマゴに指揮を任せます。第3列は最近召集されたばかりで訓練不足のカルタゴ人、リビュア人から成る新兵部隊でハンニバルの甥ハンノ・ボミルカルが指揮を取ります。そして第4列はハンニバル自身が指揮する精鋭部隊で多くのベテラン兵で構成されていました。 これら歩兵部隊の両翼に騎兵隊が置かれ、右翼にカルタゴ貴族の騎兵、左翼にヌミディア騎兵が配置されます。
世界の戦術史より

自国民を死なせないために、現代でも傭兵を使っていた。それは、ニュースや新聞を見ているだけでは分からない。今回、「アンサール・アルスンナ軍」を名乗る武装勢力の襲撃を受け、人質となった斎藤昭彦さんもイギリスの警備会社に所属し、傭兵として活動していた。日本人が警備会社と聞けばガードマンを想像するが、その業務内容は全く別物である。現在のイラク国内では、6分の1がこれら民兵が治安維持に当たっているらしい。賃金にもその能力差によって一日50ドル〜1万ドルと、バラつきがあるという。ロシア、ウクライナ、フランスなどの特殊部隊は喜ばれ、報酬も高いという。

「アンサール・スンナ」
齋藤昭彦さんと見られる男性を拘束したとの声明を出した「アンサール・スンナ軍」は、これまでにも数多くの外国人を拉致し、残酷な方法で殺害している。
犯行声明を出したアンサール・スンナ軍は、イスラムスンニ派武装過激派組織で、これまでにもイラクで数多くの外国人らを拉致し、アメリカ軍への協力をやめることなどを要求してきた。
去年8月には、拉致したネパール人12人をビデオカメラの前で首を斬って殺害するなど、要求が拒否された場合には実際に人質を殺害しています。

日本人がイラクに入るときにも、セキュリティを付けるのは常識だという。バグダッドで殺されたジャーナリスト橋田信介さんも、外国人の警備隊を付けていた。彼らは武器を持つことを許可され、バルカン砲や榴弾を所持する。湾岸戦争のときは連合軍があっという間に、クェートを制圧してしまったが、イラク戦争ではどうやら勝手が違うらしい。前線部隊の海兵隊もどうも、湾岸戦争時に比べると頼りない。それから、日本の新聞は警備員と表記するが、これほど紛らわしいものはない。戦場に「子供を助けるため」行くようなNPOは日本人くらいのものだ。その殆どの「民間人」が、実は武装した傭兵なのである。戦争は金になるらしく、イギリスの警備会社「ハート・セキュリティー(本社キプロス)」の業績は戦前に比べ10倍に伸びた。戦争ビジネスまでも民兵でやっているアメリカ、イギリスの異常さを見た。もちろん、自業自得とは言わないまでも、もちろん危険を承知でいたに違いない。

http://www.f5.dion.ne.jp/~mirage/message11/fr.html