「ナチスの教訓」 マルチン・ニーメラーに学べ

smallworldjp2005-03-22

人権擁護法案強行採決されようとしている。ナチスヒトラーに抗議し、収容所に送られたドイツの牧師マルティン・ニーメラーが書き残した警句から何を学べばいいのか。

ナチス共産主義者を弾圧した時、共産主義者でない自分は行動しなかった。ナチスは次に社会主義者を弾圧した。社会主義者でない自分は抗議しなかった。ナチスは、学生やユダヤ人に弾圧の輪を広げ、最後に教会を弾圧した。牧師の自分は立ち上がった。時すでに遅かった。抗議するのは誰のためではない、自分のためだ。(マルチン・ニーメラーの告白)

司法の関係のないところで、人権擁護委員会が設置され、独断で家宅捜索、事情聴取などが行われる。それを拒否すれば、警察という「国家権力」に逮捕、拘留させられる。これは明らかに三権分立の精神に反している。私はここで以前にも書いたことがある。「国を何者かに乗っ取られて、ますます住みづらい国になっていくことを望むなら、どうぞ自由にそうすればいい。」と。この法案を賛成する人々に対しても、「言論封殺を目論むような連中は、日本から出て行け」とは心で思っても、それを力でねじ伏せようとは思わないし、そうして欲しいとも思わない。自由な言論とは、そのような意見をも認めることから始まるのであろう。だが、その自由そのものが危機に瀕している。国が誤った方向に進む可能性があるときに、自由に発言できてこそ民主主義国家と言える。アメリカと同調して進む日本が、自由民主主義の精神に反するような政策を取ることは許されない。今こそ、国策を誤りつつあるときである。