日本の常任理事国入り問題と拒否権の問題

smallworldjp2005-06-03

日本の常任理事国入りは「絵に描いた餅」である。なぜなら、常任理事国5ヶ国とは違い、拒否権を与えられることもないからだ。つまり、拒否権を持たない常任の非常任理事国である。供託金を支払い続けてきた日本にとって、これほど都合の悪いこともない。

だから、ずばり今回の国連改革で願うべくは、中国による常任理事国拡大への拒否権である。常任理事国5ヶ国、つまり国連は日本での呼び名こそ「国際連合」であるが、多くの第三国にとっては、単なる「戦勝国会議」である。ドイツ、日本、ブラジルなどが、新たに常任理事国入りを目指す国連改革に、賛成する多くの国が、拒否権一票で他の国の目論みを却下することができる現体制を非難する傾向があるようだ。常任理事国5ヶ国に対し、懐疑的な見方が広がっている。

何しろ、もし、今回もうまくいかなければ、国連改革の失敗は二度目である。国連に対する不信感が、第三国から出始めることによって日本も利益を享受するであろう。